質問1
○ 始めに、「東京緊急対策U」にあげられ、補正予算として提案されている中小企業の資金繰りへの支援策について伺う。○ 景気の後退局面において、中小企業に対する迅速な資金繰り支援は、厳しい経営環境から企業の倒産を防ぐセーフティネットとしての役割を果たすものであり、最優先で実施されるべき施策である。
○ 特に私の地元の大田区は、優れた技術を有する中小のものづくり企業が集積しているが、昨年度からの原油・原材料価格の高騰と、輸出型企業の業績悪化によるダブルパンチを受けており、経営者の方々からは、日々厳しい話を伺っている。
○ その意味で、緊急保証制度は、都内中小企業にとって、円滑な資金繰りを確保し、事業を継続するための、まさに頼みの綱となっている。
○ わが党は、より多くの東京の中小企業がこの制度を利用できるようこれまで国に対して直接働きかけ、その結果、現在は698業種が指定されるなど、大きな成果を得てきたところである。
○ この対象業種に該当する中小企業者は、金融機関から融資を受けるにあたって、一般保証とは別枠で、無担保保証で最大8,000万円、有担保も併せれば最大で2億8,000万円まで信用保証協会の100%保証が受けられるなど、中小企業にとって非常にメリットの大きい制度となっている。
○ そこでまず伺うが、緊急保証制度はどのようにして中小企業の資金繰りの円滑化に役立っているのか、具体的に伺いたい。
答弁1
○ 緊急保証制度は、原油・原材料価格の高騰及び金融市場の混乱に伴う経済情勢の悪化に対応し、その影響を受ける中小企業の円滑な資金繰りを支援することを目的としている。○ この趣旨を踏まえ、信用保証協会では、例えば2期連続して赤字を計上し、繰越損失を抱えている場合であっても、赤字の要因や、取引先からの経営支援などの実態を幅広く勘案した上で、総合的に判断するなど、一歩踏み込んだ審査を実施している。
○ また、資金の使途としては、新規事業資金、いわゆる「真水」として活用できるだけでなく、既往の債務について一本化し、期間を延長する形で借換を行い、毎回の返済に係る負担を軽減することも可能である。
質問2
○ ただ今の答弁のように、この緊急保証制度は資金繰りに苦慮する中小企業にとって、非常に有効な制度であることが確認できた。○ 10月末からの制度運用の開始当初には、区市町村に認定申請が集中し、一部に混乱や遅延が生じた。我が党の要請を受け中小企業診断士をすでに32の市区町村に派遣配置しました。このように都の素早い対応で、入口である認定事務は円滑に進むようになった。
○ しかし、今、認定を受けた企業から、信用保証協会の保証申し込みが殺到している。我が党の代表質問に対する答弁でも、信用保証協会が審査に当たる職員の増員や休日対応など精一杯頑張っていることは伺った。
○ このことは、何と言っても企業の生命線を握る資金繰りに関わることであり、より迅速な保証と融資実行が望まれるため、さらなる努力を求めたい。
○ 今月10日から実施された指定業種の拡大の効果を活かすためにも、信用保証協会における保証業務が、より迅速かつ円滑に推進されることが望まれると思うが、都の所見を伺う。
答弁2
○ 東京信用保証協会では、内部管理部門から保証部門への職員の応援、OB社員の活用、休日対応など緊急体制で保証業務を推進している。○ 保証審査の推進には、信用保証協会のこうした取組に加えて、関係各機関の連携が重要である。
○ 例えば、入口として認定事務を行う区市町村と信用保証協会が、認定基準に関し密接に情報を共有すること、また、信用保証協会に案件を持ち込む金融機関が利用企業に対し、あらかじめ十分な説明を行うことなどが、円滑な保証審査を進める上で欠かせない。
○ こうした観点から、先日、都は独自に、円滑な認定と融資実行の推進のため、都内区市町村及び金融機関への協力要請を行ったところであり、今後とも、関係各機関に協力を求め、適切に対応していく。
○ 年末に向け、中小企業をめぐる金融環境は厳しくなる一方である。都は、緊急保証制度の運営に当たり、資金繰りに苦しむ多くの企業に対し、いかにスピーディに融資を実行できるかを、一番に考えていただきたい。それができなければ、せっかくの制度も、仏をつくって魂を入れず、ということにもなりかねない。
○ 激励の意味を込めて、いささか厳しい言葉となったが、これが存亡の瀬戸際に立つ中小企業の方々の本音である。わが党も惜しみない協力をさせていただきますので、都としても中小企業の円滑な資金繰りを確保するため、あらゆる手段を尽くして頑張って頂きたい。
次に「新銀行東京」について伺います。
Q1 都は、今回の決算についてどのように評価しているのか改めて伺う。
アメリカ発の世界的金融危機の影響で、我が国の金融環境も、100年に1度といわれる厳しい状況に置かれている。事実、先ごろ相次いで発表された各金融機関の中間決算は、軒並み大幅な減益や赤字となるなど、その深刻さを物語るものとなっている。こうした中にあって、11月21日に新銀行東京の中間決算が発表された。一部のマスコミでは、大変厳しい結果になるとの報道もなされていたが、金融庁の検査結果を反映させた上でも、その結果は、ほぼ計画通りであった。
一方で、この決算については、再建計画では見込まれていない増益要因があり、「単なるつじつま合わせ」との批判も一部に耳にする。
そこで、都は、今回の決算についてどのように評価しているのか改めて伺う。
A1金融監理室長答弁
○ 今回の中間決算は、平成20年度上半期における新銀行東京の事業実績を総合的に表したものである。
○ この中には、一時的な増益要因として、「その他業務収益」に約20億円の外国債券の償還益を計上したほか、経営努力による6億円の営業経費削減などが含まれている。
○ 一方で、金融庁の検査結果を踏まえ、必要な引当金を積み増したことなどによる減益要因も含まれている。なお、金融庁の検査結果は、この中間決算に全て反映させたと聞いている。
○ 今回の中間決算は、こうした増減益要因を含め、新銀行東京が再建計画の達成のために経営改善に努めた結果、純損失額が計画の73億円に対して70億円と、ほぼ計画どおりの実績となったものと評価している。
○ 公共性の高い銀行の決算内容は、金融庁にも提出しているものであり、こうした内容に対して、「つじつま合わせ」とは、批判のための批判とも受け取れる、極めて不適当な見解である。
今回の中間決算には、プラスに働く要素とマイナスに働く要素の両方があることが良く分かった。プラス・マイナス両面あるのだから、それらを全て踏まえ、トータルで決算を見るのは当然のことである。にもかかわらず、決算のある一点だけを捉えて「つじつま合わせ」であるなどと片寄った物言いをするのは、不見識な見方と言わざるを得ない。
新銀行東京が、民間銀行である以上、こうした様々な経営努力をすることは当然であり、今後も引き続き、計画を達成できるよう全力を挙げ取り組んでもらいたい。
Q2金融庁の「監督」と都の「監視」の違いについて
次に、そもそも全ての民間銀行は、金融庁の監督の下に置かれているが、他方、3月の第1回定例会における附帯決議を踏まえ、都においては新銀行東京の再建に向け、その経営の監視に努めることとしている。金融庁の「監督」と都の「監視」の違いについて説明してもらいたい。A2(金融監理室長答弁)
○ 金融庁の監督は、国家的な信用秩序維持等を目的とするもので、銀行法に根拠を持ち、その指導・監督権限は、立ち入り調査の実施や業務改善の命令、銀行免許の取り消しなど銀行業務全般に及ぶ。○ 都における監視は、株主として経営上の監視を行うものであり、その権限は、会社法の規定に則り、株主総会において議決権を行使することができるとされている。
○ しかしながら、一般に会社法では認められている株主の帳簿閲覧権は、銀行法において否認されており、また、融資や資産査定など、具体的な業務に対する監督は、法的な権限を有する金融庁と異なり、行うことはできない。
○ こうした中で、都としては大株主として、法令上可能な全ての手段を行使して、経営の監視に取り組んでいるところである。
Q3 4月に金融監理室を設置したが、都はこれまで具体的にどのような監視を行ってきたか
今の答弁を聞いて、都は、大株主ではあるが、銀行を指導・監督するような権限は、法的に与えられていない。そこが、監督官庁である金融庁と、株主である都の権限の大きな違いであると思う。こうした中で、都は、都議会が付した附帯決議を受け、新銀行東京の再建に向けた取り組みを確かなものにするために、4月に金融監理室を設置したが、都はこれまで具体的にどのような監視を行ってきたか
A3(金融監理室長答弁)
○ 昨年度までは、融資、保証等の実績など中小企業支援の取り組み状況などを中心に新銀行東京の経営について大枠の監視を行っていた。○ 過去においては、旧経営陣により事実が隠蔽されたり、適切な報告がなされず、事態の把握が遅れたことがあったことから、金融監理室を設置した4月以降は、これらに加え、新銀行東京とも協議の上締結した契約に基づき、厳格な手続きを経て、より詳細な経営情報の報告を受けている。
○ 具体的には、株主連絡会の開催回数を増やすなど、新銀行東京との連絡を密にすることや、損益や不良債権の管理状況などに関し報告を受けている。
○ これらを通じて、これまで以上に新銀行東京の経営状況や再建計画の進捗状況を把握することが可能となり、それに基づき、都として必要な申し入れを行うなど、適時適切な監視に努めている。
Q4都が入手している情報の中には、新銀行東京の経営情報に当たるものも多く含まれていると思うが、何を根拠にして、どのようにこれらの情報を入手しているのか。
都が株主として適切な監視に努めていることは分かった。また、先ほどの答弁を聞くと、銀行の情報を入手するためには、極めて厳格な手続きを経る必要があることもわかった。そこで伺うが、都が入手している情報の中には、新銀行東京の経営情報に当たるものも多く含まれていると思うが、何を根拠にして、どのようにこれらの情報を入手しているのか。
A4(金融監理室長答弁)
○ 新銀行東京は、銀行法の認可を受けた金融機関であり、金融庁の監督指針などに基づき、当然ながら個別の取引状況や顧客の情報、金融庁の検査結果などは、大株主である都を含め、対外的に明らかにすることはできない。○ また、民間銀行として、その取引先や契約先の情報、営業上のノウハウなど、新銀行東京の競争上の地位を損なうような情報についても当然ながら明らかにすることはできない。
○ これらのことを大前提とした上で、都は、新銀行東京との間で秘密保持契約を交わし、これ以外のデフォルトの状況など、経営情報の報告を受けている。
○ なお、新銀行東京は、都に対してこうした経営情報を提供する場合、取締役会の承認を得るなど、適正な内部手続きを経て行っている。
Q5なぜ金融庁の検査結果が大株主である都にも非開示なのか。その根拠は何か
ただいま金融検査の話があったが、検査の中身には、当然、銀行として重要な経営情報や判断も含まれているであろうことが容易に想像できる。従って、たとえ大株主といえども、都が金融検査の結果を知り得る立場にないことは明らかだが、一部の政党では、都に対し、当局に検査結果の開示を求めるよう、執拗に要求している。そこで改めて、確認のため伺うが、なぜ金融庁の検査結果が大株主である都にも非開示なのか。その根拠は何か、伺う。
A5(金融監理室長答弁)
○ 検査結果の不開示の根拠は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」第5条における開示の例外規定及び、金融庁の定める「金融検査に関する基本指針」の情報管理の規定である。○ この「金融検査に関する基本指針」は、いわば金融検査に関するバイブルのようなものであり、この理念は銀行法から派生しているものである。
○ そこでは、
◆被検査金融機関やその取引先の権利、競争上の地位やその正当な利益を害するおそれがある。
◆将来の検査一般において、正確な事実の把握を困難にするなど、検査の実効性を損ねるおそれがある。
◆被検査金融機関に多大な影響を及ぼすのみならず、金融情勢全般に不測の影響を与えるおそれがあり、金融システム全体の安定性が確保されないおそれがある。
との理由から、個別の金融機関に対する検査等の内容は不開示とされている。
Q6最後に、今後の都の監視と中小企業を支援する取り組みについて
新銀行東京が、民間銀行として、その信用を守るため、個別の顧客に関する情報を明らかにできないこと、また、都は金融庁の検査結果の開示を受けることができないことも、良く分かった。しかしながら、金融庁と違い、入手できる情報に限界がある中でも、都は、新銀行東京の再建に向け、精一杯の努力をしなければならない。また、わが党としても、今後とも新銀行東京の再建の取り組みについては、注視してまいりたい。最後に、今後の都の監視と中小企業を支援する取り組みについて改めて伺い、質問を終わりたい。
A6(金融監理室長答弁)
○ 都は、今年4月に金融監理室を設置して、新銀行東京が中小企業への継続支援に軸足を置きつつ、経営再建が着実に達せられるよう、監視と支援を行っている。○ 法令上の規定等により情報の入手に一定の制約があるなか、私ども金融監理室は、設置目的を達成するために全力を挙げている。
○ 金融庁検査の結果については、被検査銀行のその後の運営に反映して、改善することが目的とされており、新銀行東京においても、当然経営に適切に反映されるべきものである。
○ 都としては、その改善状況を適切に把握することを通じ、監視の目的を達成する考えである。
○ また、新銀行東京は、自らの経営体力に配慮しながら、できる限りの中小企業支援を行っており、再建に向けた取組を着実に実施するとともに、都との連携により、収益面でも実効性のある連携策を推進していくことが重要である。
○ そのために、都は引き続き適切な監視と支援に全力を傾けていく。











