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「入札契約制度」に関する質疑

入札契約制度について

鈴木あきまさ理事

我が自民党では、昨今の公共事業公共工事において頻繁に発生する低入札価格による過度な業者間競争、及び、都の積算した予定価格と折り合いがつかず発生する契約不調の増加という現状を憂慮し、こうした状況に対して、責任政党として対応すべく、昨年来「都議会自由民主党 入札・契約制度改革プロジェクトチーム」を立ち上げ、その改善策を検討している。
検討の結果をこの9月に、特に公共事業における「品質確保」のあり方及び、受注産業業者の疲弊する現状の打開の二つを大きなテーマとし「公共事業(工事)の正しいあり方について 第1回報告書」として発表したところである。
こうした我党の問題意識に感化され、本年度になり財務局も現状打破に向けて動き出し、都庁内にも「入札契約制度改革研究会」が設置され、我党の報告書発表から遅れること約一月後の10月に「入札契約制度改革研究会の第一次提言及び入札契約制度の当面の改善策の実施について」が出され、行政側もいよいよ本腰を入れてこの問題に取り組む姿勢を見せ始めたことは一定の評価をするところである。
そこで、我党PTの報告書並びに、財務局の研究会における制度改革の視点を踏まえ、いくつか質問する。
我党PTの報告書において、公共工事は価格競争のみではなく、当然にその品質をも重視した制度の必要性を述べている。同様に、財務局の研究会においても希望制指名競争入札制度の改善として「総合評価方式」の拡充を提言している。

Q1

そこでまず、港湾局における「総合評価制度」の取り組み状況について伺う。

A1

総務部長答弁
・港湾施設等の社会資本は、都市活動や都民生活を支える重要な役割を果たしており、将来にわたり品質を確保することは極めて重要な課題であると認識している。
・港湾局では、平成17年4月の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の制定以来、価格だけでなく技術力をあわせて総合的に評価する「総合評価方式」による工事発注を進めている。 ・特に、本年度からは「技術力評価型」総合評価制度の運用を積極的に行っている。
この制度は、価格点50点・技術点50点とし、その合計点数の最も高い者を落札者とする制度で、技術的課題がある中規模工事について、より多面的に技術力の評価を行い、これを入札に反映させるものである。
・ 「技術力評価型」の本年度10月時点での実施実績は5件になる。
・ 実施の結果、この5件の入札においては、いずれも技術点で最高点を得た業者が、最低価格で入札に臨んだ業者を逆転し落札した。
・現時点では工事結果が出ていないので、その効果の検証をすることは早急であると考えるが、今までの5件の入札結果を見る限り、入札の新たな制度として今後検討に値する手法であると考えている。
・今後も引き続き、本制度の活用も含め、工事の品質の確保に努めていく。

港湾局において「総合評価制度」の実績は本年度10月までに5件だが、積極的に取り組む姿勢があることはわかった。今後更に評価の精度を高め、価格のみの競争ではなく、的確な「品質確保」を伴った入札・契約が行われるよう要望する。
次に、ある意味では、この低入札の対極に位置づけられると言える「契約不調」の状況について確認する。
今般の「契約不調」は、特に役所の積上げる、所謂「予定価格」が昨今の急激な原材料費の高騰などについていけず、業者は採算がとれず、落札者が出ないことにより発生するものと思われる。
第三回定例会の補正予算でも、港湾局より資材高騰を理由に浚渫船の建造工事予算の増額が提案・可決されたところだが、同様の事例は他にも見られるのではないかと思っている。

Q2

そこで、最近の港湾局発注工事における「契約不調」の発生状況について伺う。

A2

離島港湾部長答弁
・港湾局発注工事における工事契約不調件数は、平成18年度11件、 平成19年度13件、そして本年度は、この10月までで5件である。
・契約不調になった主な案件として、「防波堤などに使用する鋼枠の製作」「ガントリークレーンの製作・据付」などがあげられる。
・業者からのヒヤリングによると、これらの工事の不調原因は、鋼材価格が予定価格と折り合いがつかないなどが主な要因であった。

都市整備・建設局ほどではないが、やはり港湾局においても「契約不調」が発生していることが確認された。
しかも、その中に「鋼枠製作」など、近年原材料費が急騰している工事が見受けられるのは、正に、先ほど私が指摘した、役所の積算価格が民間市場のスピードに追いついていないことの証左であるといえる。
こうした状況を受け、財務局は先般「単品スライド条項」の適用を発表したところである。
1980年の第二次オイルショック以来の発動の決断は評価されるものと考えるが、実際に、事業者がこの制度により救済されることが重要である。

Q3

そこで、港湾局発注工事における、「単品スライド条項」の適用状況について伺う。

A3

総務部長答弁
・「単品スライド条項」発動以来これまでに鋼材類が4件、燃料油1件の工事において「条項」適用における契約変更の協議を行っている。
・今後、迅速に手続きを行い、契約変更を行う予定である。
・概算ではあるが、この条項適用により4%〜10%増額される見込みである。

今の答弁で、港湾局において的確に、この条項が運用されていることが確認された。今後もスピーディーに対応し、契約変更手続きをとるよう求めておきます。いずれにしても今後、この制度の成果がどのようになるか、財務局を中心に、しっかりと検証していっていただきたい。
以上、これまで縷々港湾局における「契約」の状況、及び「入札契約」制度に対する港湾局の取組みについて質問してきた。
現下の金融危機は、今後、実体経済に影響を与えることは必至であり、そのような環境の中で公共工事を受注する業者が「請負い」ではなく「請け負け」することのないよう、適正な価格で工事を発注・受注し、それにより確実に「品質確保」が図られるよう、不断の取組みを要望する。

Q4

最後に、我党PTの提言並びに港湾局事業が現在おかれている状況を踏まえ、今後の入札契約について、どのような姿勢で取り組まれるか伺う。

A4

総務部長答弁
・港湾局の工事は、東京港・海岸保全・離島港湾整備など、どれも都民生活に密着し、その生命・財産を守る重要な事業である。
・したがって「契約不調」により事業が遅れること、また、過度な価格競争のみで品質が低下することは許されないものと考えている。
・また、港湾局発注工事においては、中小企業を対象とする工事が約7割を占めており、中小企業の育成につながる発注も重要であると認識している。
・そうした点を充分に踏まえ、今後より一層、適正な価格と品質のバランスの取れた入札契約の実施に向け、契約事務所管局である財務局と協調していく。
・なお、この他にも、よりよいインフラ整備のためには、入札契約制度上さまざまな課題があると認識している。こうした点については、事業局の立場として、財務局に適宜・適切に意見を述べていく。

東京都の入札、契約制度は価格の事前公開制をはじめ、数々の先駆的な取り組みを行ってきました。それが、不正競争の防止や公平性の確保という導入当初、きわめて透明性の高い制度として、全国の自治体のモデルともなってきました。
 しかしながら、価格の事前公開制は、詳細な清算を省いた機械的な入札金額による「くじ引き」の乱発を招き、また、価格が公開されることによる“叩き合い”が横行し、不良不適格業者を蔓延させる一因ともなっています。
 このような現状を打開するために、国土交通省は、予定価格の『事後公開』を行っています。また、できる限り分離発注をすすめることや、最低制限価格の設定(最低制限価格がないため、過度なダンピングが横行しているのではないか!)など、公共事業、公共工事を通して、東京の中小企業を育成する(中小企業、請負業者の技術力技能力の向上に寄与する)という視点を総務部長の答弁で確認をしましたが、港湾局にもしっかり持っていただきたい旨、要望し、この質問を終わります。

鈴木あきまさ

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