鈴木あきまさ理事
Q1
新銀行東京について伺う。
新銀行東京は、現在、経営再建に向けさまざまな取組を行っていると聞くが、そのような状況の中、設立目的である中小企業支援を着実に実施していくためには、都と連携した取り組みを進めていくことが大変重要であると考えている。そこで、都と新銀行との連携についていくつか質問する。
新銀行東京は、普通銀行であるとともに、信託機能を有する信託兼営銀行であるという大きな特色を持っている。
この信託という仕組みを用いることにより、非常に幅広い商品設計が可能になる。今や多数の方々にその利用が浸透するようになった投資信託や、年金信託、公益信託、さらには知的財産権の信託、二酸化炭素の排出権の信託に至るまで、市中の信託銀行においては、時代のニーズにマッチしたさまざまな商品が開発されている。
このように多様な機能を持つ信託であるが、信託の機能を生かして、都がこれまで実施してきた取り組みについて、伺う。
A1
櫻井部長答弁
・都がこれまで信託の機能を生かし、金融機関を通じて実施してきた事業としては、都有財産を有効に活用する土地信託や、CLOにおける中小企業に対する貸付債権の信託化などの例がある。
・新銀行東京とは、連携して公共工事代金債権信託を実施しているところである。
Q2
新銀行東京の公共工事代金債権信託については、現下の不況感が増大する中、特に建設業においては、原材料の高騰や大幅な受注減少などにより、厳しい状況が続いており、資金繰りに苦しむ中小の建設事業者から非常に助かっているという声を聞いているが、内容について詳しく伺いたい。また、これまでの実績についても併せて伺う。
A2
櫻井部長答弁
・公共工事代金債権信託は、新銀行東京が平成17年12月から実施している商品で、都が発注した工事について、受注業者が、本来であれば完成後に受け取る工事代金を、新銀行東京に債権譲渡して信託化することにより、工事の進捗状況に合わせて、完成前に得られるようにするものである。
・都としては、この制度が中小企業の新たな資金調達の道を開き、中小企業支援という都の施策に合致することから、受注業者の申請に基づき、工事請負代金債権の譲渡の承諾をすることとした。
・新銀行東京は、取扱対象について、今年度途中から、東京都発注工事に加え、監理団体4団体の発注工事に拡大した。
・また、これまでの実績は、平成17年度から平成19年度までの各年度において、件数は、33件、115件、143件、実行額は、20億2,300万円、51億1,000万円、64億7,100万円と増加している。
(参考)監理団体4団体
東京都新都市建設公社
東京都道路整備保全公社
東京港埠頭株式会社
東京都住宅供給公社
Q3
ただいまの答弁から、公共工事受注者に対する支援の取り組みが着実に進んでいることがわかった。その点については新銀行東京の努力を評価したい。
さらに、この銀行の持つ金融機能を都民生活に生かすという意味では、例えば、不動産価値を活用したリバースモーゲージも考えられる。リバースモーゲージは、武蔵野市で実施されるなど行政とのつながりがあり、民間金融機関においても、同様の商品が取り扱われているとも聞く。
そこで、民間金融機関におけるリバースモーゲージの内容と取組状況について伺う。
A3
櫻井部長答弁
・リバースモーゲージは、高齢者が、自宅に住み続けながら、持ち家を担保に、生活資金の融資を受けることができる制度である。
・いわゆるバブル経済時には、多くの信託銀行などが商品を展開していた。
・なお、主に土地を担保とすることから、一定の資産を保有する人が融資の対象となり、また、貸出期間が長期にわたるため、不動産担保価値の下落リスクや金利の変動リスクが大きいという課題もある。
Q4
今答弁のあった民間金融機関の取り組みは、富裕者向サービスであり課題もある、といった印象も受けるが、武蔵野市での実施事例を聞いたところ、金融と福祉が一体化した「武蔵野方式」と呼ばれるものであった。
これは、市の福祉公社の会員サービスと金融機能を組み合わせたもので、福祉サービスと融資の双方を受けることが出来る。
このような福祉的なサポートとタイアップしたリバースモーゲージなど、新しい視点から新銀行東京の機能を都政に活用することも可能なのではないでしょうか。
新銀行東京の経営資源を、都の重要な施策の実現に向けて、より一層活用することにより、再建への道筋に活かしてほしい。
最後に、現在、国会では、金融機能強化法改正案の審議が行われており、その中で、新銀行東京の取扱が議論となっているが、そもそも、金融機能強化法を改正する趣旨はどのようなものか、伺う。
A4
櫻井部長答弁
・世界的な金融危機のもとで、わが国の中小企業は非常に厳しい状況におかれている。こうした状況を踏まえ、中小企業への貸し渋りを防ぎ、民間金融機関が円滑な資金供給を行うことにより、地域経済の活性化につなげることが喫緊の課題となっている。
・このため、国の資本参加による金融機関の資本基盤の強化を通じて、中小企業に対する信用供与の円滑化等、地域経済に対する適切な金融仲介機能を発揮する趣旨から、金融機能強化法の改正案が国会に提出されたものである。
最後に
先ほどもお答えいただいたが、現下の厳しい経済情勢を克服するため、国の緊急経済対策に相まって、都においても制度融資の拡充など、中小企業への積極的な支援に取り組んでいるとのことである。
今、金融機能強化法の改正案の趣旨について、説明があったが、中小企業支援を確実なものとするためには、1日も早く、この法案を成立させ、中小企業を支える地域金融機関を盤石なものとすることが求められている。
国会における法案審議については、新銀行東京に絡めて政局にするのではなく、一刻も早い成立を望むことを意見表明して、私の質疑を終わる。











